税金の「公平」ってなに?(税金の話2)

税金の「公平」ってなに?(税金の話2)

今回は、

税金の「公平」

について話してみたいと思います。

「公平」という言葉は「平等」とも置き換えられると思いますが、

日本人は、憲法によって、「法の下の平等」が保障されていますよね。

日本国憲法 第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

(出典:e-Gov)

普通の日本人なら、税金も公平・平等であるべきだ、と考えると思います。

では、税金における公平とは何でしょうか?

①税金の「額」が同じであれば公平でしょうか?

②税金の「率」が同じであれば公平でしょうか?

③逆に、税金を払う人と払わないがいると不公平でしょうか?

みなさんはどう思いますか?



では、ここから、ノア次郎の見解、ということで、例をあげて、考えてみます。


①税金の「額」が同じであれば公平なのか?

税金の「額」がみんな同じだと、公平な気がしますよね。

では、仮に、日本の所得税額が「全員10万円」だったとします。



すると、どうなるか。



年収1億円の人も10万円、年収100万円の人も10万円です。



あれ?年収1億円で10万円は少なすぎないか…




と思ったあなたは、税金の「額」が同じならば公平ではない、という風に感じたということになります。




ということは、税金の「額」が同じであれば公平である、というわけでもなさそうです。




それでは、②にいってみましょう。

②税金の「率」が同じであれば公平なのか?

税金の「率」が同じならば、公平でしょうか?

ここでも、仮に、日本の所得税率が全員30%だったとします。

すると、年収1億円ならば3,000万円、100万円ならば30万円です。

お、なんか公平っぽいぞ。

けど、本当に公平なのか…?

これはもしかすると、公平なのかもしれません。

しかし、ここで、100万円の所得で30万円の税金を支払った人が、果たして生活できるのか、というところを、考えなくてはならなくなります。

これを税法学では、「担税力(たんぜいりょく):税金を負担できる能力」といいます。

この部分に入り込むと、話しがまたややこしくなるので、いつか話せたらと思いますが、まあ、とにかく、能力に応じて税金を負担できるようにしよう、というのが今日の租税の考え方の主流となっています。


この担税力というのは、結構大事で、担税力を配慮して、日本は

超過累進税率

というものを採用しています。

所得が高くなるにしたがって、税率が段々と上がっていく制度です。

詳しくはこちらに書いてあります。(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm




つまり、多く稼ぐ能力がある人がより多くの税金を負担する!ということですね。

ちなみに、昭和22年頃の日本は、所得の最高ランクには85%!の税率がかけられていたようです。

やばっ

働く気が失せますね笑

頑張って働いて1億円稼いだのに、手元には1割の1千万円しか残らないなんて…涙


とはいえ、総じて、税率が同じであれば、ある意味で公平といえると考えられますね。

ただ、税金を払う能力のない人をどうするか、という問題はどの道残ってきますが。。



では最後に、

税金を払う人と払わない人がいると不公平なのか?

を考えていきましょう。


極端な例でいくと、

天皇。

天皇が代替わりする際に引き継ぐ「由緒あるもの」=三種の神器については、相続税がかからないそうです。

私も調べるまで、知らなかったっす。というか、そこも相続税の話が出てくるんやって感じでしたね笑

じゃあ、OO家の由緒代々引き継いで来た土地と家屋はどうなるんじゃ?

これには相続税がかかります。




え!それは不公平でしょ!

と言いたくなりますね。笑

しかし、天皇が非課税なのはまあいいか~と思う日本人は多いと思います。

ここはまあ、なんというか、天皇制という制度を持つ日本の永遠の課題だと思いますね。。。


ノア次郎の見解としては、

もちろん、不公平!

だと思いますね。

だって、神様から見たら、同じ人間だも~ん。



ということで、簡単に3つの観点から見てきましたが、

これだけ見ても、税金の「公平」って難しい問題なんですよね。



こういう、税金の公平性に関することを、学術用語的には

「租税公平主義」

と言います。

租税法学の権威である金子先生によると、

「税負担は国民の間に担税力に即して公平に配分されなければならず、各種の租税法律関係において国民は平等に取り扱われなければならないという原則を、租税公平主義または租税平等主義という。」

と書いてあります。(出典:金子宏『租税法 第20版』弘文堂)


はい、さらっと流しましょう。笑

要は、税金を負担できる能力に応じて、税金を公平に配分しましょう。税金を払う人を平等に扱いましょう。

というような内容ですね。



ちなみに、この税金を負担できる能力(=担税力)、という観点でいうと、

上で挙げた3つの例は、

原則

といわれる「得た利益が多い人に多く課税する」という考え方でした。

一方で、

原則

といわれる「税を負担できる能力が高い人に多く課税する」、という「応能原則」という考え方もあります。



利益に着目するか、能力に着目するか、あなたはどっちを選択しますか?



現在の税制は「応益原則」を採用しているようにみられます。





ということで、ここまで

税金の公平

について書いてきました。

いや~、世の中万事がそうですが、

「公平」というのは、本当に難しい問題ですね。。。

現実には、政治判断で、簡単に公平さが失われます。。

テイクアウトは消費税8%だけど、店内で食べると10%だよ~みたいな。

これもある意味不公平じゃん!



正直、人間には、何が公平なのかの答えを出すのは難しいと思います。

神様、、、真の公平って何ですか、、、

「真の公平さ」とは何か、みなさんもぜひ考えてみてください(^^)




ここまで、お付き合いいただきありがとうございました!

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